戦略立案支援の事例

業種

印刷業とソフトウエア開発業の事例を取り上げます。

 

対象範囲

  • 事業戦略の再構築
  • 事業計画の立て方
  • 営業スタイルの変革
  • 工程の見える化

 


印刷業

課題1.従来のビジネスの減少と新規ビジネスの低成長

顧客ニーズの変化により売上減少と低価格競合で従来のビジネスモデルが通用しなくなった。新規ビジネスは従来ビジネスより多くの知識が必要となり顧客の担当部門が異なるため苦戦。

  • 解決策1 選択と集中による資源配分

 新規ビジネス分野への設備投資と人材再配置により資源配分を意図的に変える。経営者の意志を示す。計画立案参加への若手登用を行う。戦略思考が不足しているため研修を行う。

課題2.営業スタイルの変化と挑戦する意思

案件内容確定後の見積対応ではなく、案件発生時からの参加し提案書を出す営業スタイルへの変化が必要なことが理解しているが行動とならない。 

  • 解決策2 ソリューション営業教育と提案書の書き方研修

 顧客課題の捉え方、提案書作成、プレゼンテーション、工場見学、サンプル作成、クロージングまでの新たな営業スタイルに必要な基礎スキルの研修を行う。

課題3.発注から納品までの工程の品質向上

新規ビジネスでは個人情報の受渡しがあり顧客接点である営業に事務負担が発生する。情報の確認や納期確認等の通知もある。

  • 解決策3 工程の見える化

 工程見える化ソフトの導入を行う。顧客毎に標準工程を定義して登録する。案件の工程進捗の都度完了確認を行うことにより自動メールで通知が可能となる。営業から電話での処理者への確認がなくなり、営業は顧客への対応のみとなる。



ソフトウエア開発業

課題1 赤字新規事業の見直し

設計分野での知識を活用し機械部品以外でのソフト製品の展開が回っていません。大手顧客の個別ニーズ対応ではそれなりに事業は成長していますが、中小対象のノンカスタマイズ製品では事業計画が未達でした。

  • 解決策1 事業計画未達の根本原因の把握

 開発と営業とのヒアリングから様々な問題点が出てきました。整理すると製品はノンカスタマイズではなく、営業は顧客のニーズを把握できていませんでした。低価格路線を取れないので顧客ターゲットを見直し小規模なカスタマイズ希望の顧客を選定しました。

課題2 新事業計画の立案ができない

事業担当は事業不振の原因の認識はできたが黒字化に向けて事業再建の事業計画がイメージできません。深く考えることや、思いを計画に表す能力が欠けていました。

  • 解決策2 事業計画立案支援

 

 顧客の事業計画は過去の実績の傾向からの積み上げ予測が主流でした。市場を細分化し自社のポジションを明確して事業開拓を行う方法を新たに取り入れました。

課題3 全社中期経営計画の位置づけが不明確

顧客の中期経営計画は外部環境や内部環境分析からSWOT分析をして戦略としています。これを示し財務目標を設定しています。計数設定には経営者の期待が反映されています。その後事業部ではこれを受け事業計画を策定しています。量としての財務目標は設定しても質として経営内容の変更を加味していません。

  • 解決策3 全社と事業部との連携と量と質の変化が確認できる計画に変更

 顧客の計画立案工程を変更し全社計画立案工程に事業部の参加を組み入れ情報共有を深めました。計画書の書式を変更し質の変化をどのように行うかの表記を加えました。